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ニュース: 中国で乳児死亡、遺族は「医療ミス」―医療関係者殺害の事例も
2013-07-22
中国東部の病院で、保育器に入れられていた生後12日の女の乳児が死亡したのをめぐって遺族と医師との間で緊張が高まっている。
病院側と乳児の遺族は乳児の死因について、食い違った説明をしている。病院は乳児が細菌感染で死亡したとしている。しかし乳児の遺族は、乳児の背中、尻、それに足にやけどがあったと指摘し、保育器内で焼け死んだと主張している。
乳児の遺体のやけどの画像は、中国版ツイッターの簡易ブログ「新浪微博」で幅広い人々に広まり、市民の怒りをかき立てた。
あるユーザーは、「医者が無責任なのか、病院の保育器の質が悪いのかのどちらかだ。どちらにしろ、けしからぬ」と投稿した。
乳児の父親Ye Yilongさんが国営中国新聞社に伝えたところによると、乳児は7月6日に血液中の酸素量が低い状態で生まれ、すぐに福建省泉州市にある泉州小児病院の集中治療室(ICU)に搬送された。9日午後には「全て正常だから、明日にも退院できるだろう」と言われていたが、翌朝、病院から娘が亡くなったことを知らされたという。
乳児の遺族によると、病院の医師は遺族に対し、乳児が細菌感染で死亡したと告げた。泉州市の保健当局が行った暫定的な調査でも同じような結論が出たが、結果を確定するためにはさらなる調査が必要だという。国営新華社通信が20日に報じた。
事件は、多くの中国人が同国の医療制度を疑問視する中で起こった。中国政府は医療制度改革のために1250億ドルをつぎ込んでいるにもかかわらず、依然として治療の質の向上に苦慮している。患者が不満を直接医師にぶつけるケースも増えており、暴力沙汰になることもある。同国の医師の多くは過剰に働かされており、給与が少ない。
昨年、同国北東部の黒竜江省省都ハルビン市出身の18歳の若者が脊髄の治療をめぐって口論となり、医療関係者1人を殺害、3人を負傷させた。この若者は昨年10月に終身刑を言い渡された。
2013年 7月 22日 ウォールストリートジャーナル
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323689904578620851269513908.html