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ニュース: 野村総研、拡大する消費市場のASEANで消費者行動を比較調査
2013-05-17
野村総合研究所は、ASEAN(東南アジア諸国連合)5カ国で消費者アンケート調査を実施し、明らかになった各国の消費者の意識や行動の違いを2013年5月14日に公表した。同調査は、2012年8月~12月に、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマーの5カ国で、17歳~59歳の男女4153名(各都市別に収入レベル上位50%層を抽出)を対象に、面接調査法で消費者アンケート調査を実施した。商品・サービスの普及率や、購入に際して重視している情報源、さらには自国の商品・サービスに影響を与えている国など、消費者の意識や行動を調べた。主な調査結果は、以下の通り。
■日本の影響は、マレーシアとインドネシアで最も強い
「あなたの国の商品やサービスに影響を最も与えていると思う国をあげてください」との質問に対して「日本」と回答した人の割合は、インドネシア、マレーシアにおいてそれぞれ35.9%、22.6%と、最も高くなった。一方、タイにおいては、「韓国」と回答した人の割合が36.5%と、「日本」の30.3%を上回り、またミャンマーとベトナムにおいては「中国」と回答した人の割合が、それぞれ73.1%、41.2%と最も高くなった。
■インドネシアでは「価格が安いもの」を重視
価格感度に関する質問をしたところ、「安くて経済的なものを買う」について、「そう思う」または「どちらかと言えばそう思う」と回答した人の割合を国別に比べると、インドネシアが81.2%と突出して高くなった。同様に、「価格が品質に見合っているかどうか検討する」については、インドネシアで91.7%、タイで82.9%と高い割合になった。
■ベトナムの健康診断、タイの食品宅配などが普及率高い
「この1年間に有料で利用したことのあるサービス」を尋ねた所、「健康診断」はベトナムで52.6%と突出し、「食の宅配サービス」はタイで53.6%と高くなった。「映画館」は、タイの48.6%と並んで、ミャンマーも47.3%と高い水準になった。「外国語教室」はミャンマーで15.8%と最も高くなった。
■情報源にTVを重視するインドネシア、実店舗のタイ
食品を購入する際に、「認知のきっかけとなる情報源」、「購入の決め手となる情報源」をそれぞれ尋ねた所、インドネシアにおいては共に、「テレビ、ラジオ」と回答した人の割合がそれぞれ74.6%、52.4%と、他の媒体と比較して最も高くなった。一方、タイにおいては、「実店舗、ショールーム」と回答した人の割合がそれぞれ84.2%、72.0%と、最も高かった。他の国と比較して「交通広告、屋外広告」の割合が、認知のきっかけで49.3%、購入の決め手で14.0%と高いことも、特徴。
ミャンマーにおいては、認知のきっかけと、購入の決め手で重視する情報源に違いがある。認知のきっかけは「テレビ、ラジオ」が72.0%と突出して高く、また「新聞、雑誌」も40.0%と相対的に高いものの、購入の決め手としては「テレビ、ラジオ」が7.2%、「新聞、雑誌」が2.5%と、大幅に低くなっています。一方、「実店舗、ショールーム」は認知のきっかけ(38.8%)と比較して、購入の決め手とする割合(48.1%)が高くなっています。このような傾向は他国では見られない。
野村総研では、この調査結果について、「ASEANにおいては、国ごとに消費者の意識や行動がこのように大きく異なるため、価格設定やプロモーションの際のメディアミックス等、商品・マーケティング戦略を組み立てる際には、各国の特性を理解した上で、きめ細やかな対応が求められます」としている。
なお、記事中の数値は、各国一級都市を抽出し、2398名を母数とした分析を行った結果を使っている。
サーチナニュース 2013/05/14
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0514&f=business_0514_055.shtml