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ニュース: 医療立国 文化を尊重 エジプトに生体肝移植技術


2013-04-19

□国立成育医療研究センター 笠原群生・臓器移植センター長

 平成9年の臓器移植法施行から16年。臓器提供のハードルを下げた22年の改正法施行で脳死移植は年間40件台に増えたが、それでも脳死下の臓器提供はこれまでに計200件強。年間数千件の米国などを考えれば、国内で脳死移植が浸透しているとは言い難い。

 このため、日本では生きている人から臓器を取り出し患者に移植する「生体移植」が、腎臓や肝臓などの臓器で多数行われ、技術も極めて高いレベルを誇るようになった。その技術はさまざまな事情から脳死移植ができない国々の注目を集めている。宗教上、心臓死のみが人の死とされるイスラム諸国もその一つだ。

 「自分の臓器を分けてでも、自分の子供や家族を助けたいという気持ちは同じ。日本の技術が貢献できるなら、という思いがあった」

 国立成育医療研究センターの笠原群生(むれお)・臓器移植センター長(47)は、平成13年からエジプトで生体肝移植手術を行うとともに、現地の医師に技術指導を続けている。年数回エジプトに渡航し、これまでに手がけた手術は約150例。うち約50例は日本でも評価の高い子供への手術だ。

 肝臓は他の臓器に比べて軟らかく、繊細で扱いが難しい。手術は半日以上かかることもある。だが、イスラム圏は午後を中心に1日5回の礼拝が欠かせない。現地の文化を尊重するため、手術は明け方から始め、礼拝との折り合いをつけるなどの工夫もこらす。

 現地の技術は向上してきたが、それでも課題は山積している。特に「子供への診療技術が進んでおらず、移植にたどり着くまでに亡くなるケースも多い」という。海外への連携・支援強化を進める国立成育医療研究センターとしても、今後は診療面の支援を行う方針だ。

msn2013.4.19

http://sankei.jp.msn.com/life/news/130419/bdy13041908050004-n1.htm