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老いる中国で介護ロボ 安川電機×美的 19年までに十数機種 消費者向けに的
2017-05-26
老いる中国で介護ロボ
安川電機×美的 19年までに十数機種 消費者向けに的
産業用ロボット大手の安川電機は中国家電大手、美的集団(広東省)と中国で介護やリハビリ用ロボットの生産・販売に乗り出す。安川が持つロボットの制御技術と美的の販路を持ち寄って開発し、2019年までに10~15機種を発売する。中国は25年に65歳以上の人口が2億人を超える見通し。市場が急拡大する中国で、工場用に加えて消費者向けも開拓する。
手足のリハビリに使う回転型装置を売り出す
安川と美的の合弁会社、広東美的安川服務機器人(広東省)が手掛ける。第1弾として、手足のリハビリに使う回転型装置を5月末に発売する。
患者がペダルをこいだり腕を回したりして、病気や加齢で衰えた機能を回復させる。患者の回復状況に応じ、ペダルへの負荷のかけ方を調整。適切な力の強さの運動ができるようにする。安川が工場向けに開発する多軸ロボットのモーター制御技術と、美的が家電製品で培ったデザイン面などの開発力を活用した。
中国全土の医療機関や介護施設などに売り込む。価格は1台あたり8万元(約130万円)程度を想定。今後は手足のリハビリに使うベッド型の装置や自動排せつ装置なども発売し、19年までに10~15機種に広げる。介護・リハビリロボットで18年度に5億~6億円の売り上げをめざす。
安川電機は16年、美的集団が60.1%、安川電機が39.9%出資する広東美的安川服務機器人を設立した。別の合弁会社で手掛ける産業用ロボットでの協業に加え、消費者向けでも事業展開に乗り出す。
安川電機はすでに日本で介護ロボットを生産・販売している。日本製の高い品質や機能を生かしながら中国の消費者向けに調整した製品を開発。産業用と消費者向けの両輪で成長を加速する。
美的集団 広東省に本社を置く中国の家電大手。白物家電事業で世界2位。中国市場ではエアコンや洗濯機で2割前後のシェアを持つとみられる。2016年12月期の売上高は約1600億元(約2兆6000億円)。
16年に東芝の白物家電事業を手掛ける東芝ライフスタイルを傘下に収めた。17年には産業用ロボット大手の独クーカを4000億円強で買収するなど、買収や提携をテコに先端技術の取り込みを急いでいる。
出所:日経新聞