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途上国の医療保健支援 世界一の長寿国・日本が主導せよ


2015-09-28

「世界中のあらゆる年齢の全ての人が健康であること」―。これは、国際社会が2030年までの実現をめざす新しい共通目標の一つである。国連総会の政府間交渉で先月決定された「持続可能な開発目標」の中で掲げられている。

特に、医療や保健分野での途上国支援を急がなければならない。

そのため、政府は今月、医療や保健分野の途上国支援を一層進めていくための「平和と健康のための基本方針」を決定した。同方針では、(1)病院建設や医療機材の供与(2)医療施設を運営管理できる人材育成(3)感染症流行の初期段階から発生国を支援できる態勢整備―などが示されている。

また、シリアでの内戦の長期化などにより、現在、大量に発生している難民への支援も盛り込まれている。難民が逃れた国の中には、戸籍や住民登録などの制度がなく、医療や保健サービスを提供するのに必要な情報がないことも多い。同方針では、そうした国の人口動態を調査するための体制整備を支援することで難民の所在を把握し、必要なサービスの提供を可能にするとしている。

世界保健機関(WHO)によると、男女合わせた平均寿命が最も低い国は、西アフリカのシエラレオネで46歳。低所得国が集中するサハラ砂漠以南の地域で、平均寿命の低さが目立っている。

低所得国では、下痢性疾患など、先進国では予防や治療の可能な病気が主な死因となっている。医療施設も、治療を行える医師も近くにいないのが原因である。こうした低所得国では、病院までの交通費も含めると、治療に要する費用は月収の3カ月分を超えるため、医師の診察を敬遠しがちだという。

WHOはこの状況を深刻に受け止め、金銭的に無理のない範囲で必要な医療や保健サービスを、必要なときに誰でも受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」という考え方を提唱しており、日本はUHCを強く後押しする国の一つである。

世界一の長寿国である日本への国際社会からの期待は大きい。医療や保健分野での途上国支援を日本が積極的にリードすべきである。