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民間病院経営、赤字続きで倒産の危機―政府の支援策が不可欠


2014-12-01

近年、民間病院が多数開業しているが、経営の効率が悪く、多額の赤字を抱えて経営破たんに追い込まれるケースも少なくない。

 ホーチミン市タンフー区にあるフートー総合病院は、病床500床を抱え、数多くの最新医療機器を導入したが、1200億VND(約6億6000万円)にも上る債務を抱え、閉鎖を余儀なくされた。同市ゴーバップ区にある200床規模のブーアイン国際総合病院も、「5つ星ホテル基準」を売りに開業したが、1日当たりの診察患者数は数えるほどしかいない状況だという。

 同市にあるホアンミー総合病院は、診療料が手ごろなことから訪れる患者数は多かったが、利益がなかなか出せない中で借入利息の負担に耐え切れず、海外投資家に売却する道を選んだ。南中部沿岸地方ダナン市にあるダナン市腫瘍病院では、病床数700床のうち埋まっているのは僅か数十床という状況で、多くの医療機器がいまだに使われていないままとなっている。

 ホーチミン市ビンタン区にあるミンアイン国際病院のグエン・ホアイ・ナム医師は、民間病院を利用する患者数は病院の収容能力の25~30%程度にすぎないことから、医療分野への投資対効果は極めて低いとコメントしている。

 ホーチミン市クチ郡タンフーチュン村で9月、スイエンアー総合病院がオープンした。同病院は750床規模で、投資総額は8000億VND(約44億円)余り。同病院のグエン・バン・チャウ院長は、多くの民間病院が経営破たんの危機にさらされている中、同院も利益をいかに出すかで頭を悩ませていると打ち明けた。

 民間病院では、投資コストが高い分、診療料も割高であるため、患者数が少なくなってしまう。また、有能な医師や看護士などの人材不足、効率的な病院管理システムの未整備も大きな問題となっている。更に、医療分野への民間投資に対する政府の支援措置が欠如している。民間病院が公的医療保険加入患者の受入れを申請するのは難しく、また受入れを認められたとしても保険医療の対象となる治療費が低く設定されているため、診察料の安い公立病院に太刀打ちできない。

 公立病院では患者数が処理能力を遥かに超えた状況にある中、民間病院は数が少なく、歴史が浅いことから信頼も確立されていないため、ベトナム人は海外での病気治療のために年間20億USD(約2340億円)を費やしている。保健省の統計によると、2013年には約4万人が海外へ渡航して診察や治療を受けた。海外で治療する理由として、ベトナムの医療レベルの低さ、ベッドを複数の患者が共有するほどの混雑ぶりが挙げられる。ベトナムのこのような医療現場の状況は、海外の医療関連企業にとっては、大きなビジネスチャンスになっている。

 ベトナムでは医療分野への新規投資が必要な状況にあるが、国家予算で対応するには限界があるため、民間投資の誘致が急務となっている。国内の医療サービスの質を高めるためには、政府が医療分野への投資に対する強力な優遇措置を打ち出す必要があるとの意見が広がっている。

<2011年~2012年における医療施設数及び病床数の推移>

 

VIETJO ベトナムニュース 2014/11/22

http://www.viet-jo.com/news/economy/141118074717.html