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ニュース: 医療基礎技術に長けた日本、韓国を猛追撃


2013-07-01

  「何日か前、アブダビに日本の厚生労働相(韓国の福祉部長官)が飛んできた。韓国よりも安い価格で患者を受け入れることができ、アブダビに高品質の病院も建てることができると、とても積極的にプロモーションをしてきた」。

  4月にソウルで開かれた医療博覧会参加のために訪韓したアブダビ保健庁のA局長は、親しく過ごした韓国の保健福祉部関係者に会うとすぐにこう耳打ちした。日本の厚生労働相はまた、韓国の福祉部に相次いで人を送ってアブダビ・ドバイとの患者医療送出協定をどのように結ぶことができたのかしつこく聞いていたという。

  2010年夏にも日本の経済産業省の事務官2人が在韓日本大使館員1人を同行してソウル安国洞(アングクトン)の福祉部庁舎を訪れた。彼らは3日間ソウルに滞在して福祉部関係者たちに「海外患者の誘致のために医療法を直したというがどんな内容か」「患者の誘致に関連した部署をどのように調整するのか」などの質問を吐き出した。

  彼らの訪韓目的は1年後に確認された。翌年7月13日、日本の経済産業省は中国・ロシア・ベトナム・カンボジアなど4カ国6地域に病院診療サービスと医療機器をセットで提供する“病院の海外輸出“を開始すると発表した。韓国で学んだ情報を基に、患者誘致や病院の輸出まで一緒にするプロジェクトを打ち出したのだ。

  海外医療市場で存在感のなかった日本が、恐ろしい勢いで浮上している。安倍晋三首相は今年初め、“アベノミクス”の一環として文部科学省・厚生労働省・経済産業省の関係部署を合わせて“汎省庁医療産業総括指令塔”を新設した。病院輸出や医療観光で2020年までに1兆円の収益と5万人の雇用創出を実現するというのが目標だ。

  これに伴い、厚生労働省などのさまざまな部署に分かれて配分されていた医療支援予算3500億円の配分権がこの総括指令塔に一元化された。予算の重複などの浪費的要素がなくなり、関連部署間の協業が避けられなくなったのだ。一方、韓国政府の今年の生命福祉分野研究開発(R&D)予算は1兆8000億ウォン(約1519億円)に過ぎず、福祉部をはじめとするさまざまな部署に分かれて配分されている

日本の今回の攻勢も、韓国をベンチマーキングした後に出てきた。昨年12月、韓国政府傘下の国家科学技術委員会に、日本の文部省次官を歴任した高位級要人が在韓日本大使館関係者らを連れて訪ねてきた。国家科学技術委員会は、企画財政部から医療福祉研究開発予算1兆8000億ウォンの部署配分権を与えられた機構だ。日本の要人は国家科学技術委員会側に、予算を部署別にどのように配分するのか几帳面に聞いていたという。そこで学んで行った結果が総括指令塔の新設としてあらわれたのだ。

  これだけではない。日本は人工多能性幹(IPS)細胞の研究に4000億ウォン以上を投資して民官共同で難病新薬の開発に乗り出す方針だ。アルツハイマーなど脳疾患関連の研究にも年間12億円を投じる方針だ。日本は脳科学研究関連の予算だけで年間300億円に達するという。これは韓国の福祉部の年間研究開発予算の全額に相当する。日本はまた4月17日、東京・大阪・名古屋に“医療観光特区”をつくると発表した。特区には外国病院の設立を許可して外国人医師免許の保有者が診療することができるように規定した。また医療通訳士を導入して英語使用の救急車や薬剤師を置き、緊急医療相談コールセンターも外国語サービスを開始する計画だ。医療機器・医薬品の相互承認も推進するという。

  今まで韓国のベンチマーキングの対象はシンガポールであった。2009年基準で外国患者誘致率が韓国の10倍に達するシンガポールは、昨年約100万人の患者を誘致して30億ドル(GNPの1.1%)の外貨収入を上げた。治療目的の入国者のビザ発行期間を3、4日短縮して入国から治療・宿泊・観光・ショッピング・帰国までをワンストップで処理し、外国人患者の86%が満足していることが明らかになった。だが韓国がこのような水準に到達するには減らすべき規制が多い状況だ。こうした中、日本の追撃を受けることになった模様だ。

  韓国医療輸出協会のホン・ミンチョル事務総長ら専門家たちは「日本は韓国の医療輸出にとって最も大きな脅威」と指摘した。彼らは「ロシアを筆頭に中東や中国など韓国の医療界の主な市場を日本がそのまま共有するため」としながら「がん治療など臨床手術は韓国が先んじているが、日本はもともと医療基礎技術が発達しており、韓国に追いつくのは時間の問題」との見方を示した。青瓦台(チョンワデ、大統領府)レベルで持続的に意志を持って医療輸出を促進してこそ日本の追撃をとり払うことができるという提言だ。 

 

中央日報 2013.6.26

http://japanese.joins.com/article/188/173188.html